「ロッキー3」(Rocky III)
(1982年/99分/United Artists作品・ユナイト映画配給)
ポスター
■STAFF
製作総指揮:ハーブ・ナナス
製作:
ロバート・チャートフ、アーウィン・ウィンクラー
監督:
シルベスター・スタローン
脚本:
シルベスター・スタローン
撮影:
ビル・バトラー
編集:
ドン・ジマーマン、マーク・ウォーナー
美術:
ロナルド・ケント・フォアマン
プロダクション・デザイナー:
ウィリアム・J ・キャシディ
録音:
チャック・ウィルボーン
音楽:
ビル・コンティ
■CAST
ロッキー・バルボア:シルベスター・スタローン
エイドリアン:
タリア・シャイア
ポーリー:
バート・ヤング
アポロ・クリード:
カール・ウェザース
ミッキー:
バージェス・メレディス
クラバー・ラング:
ミスター・T
ロッキーJr.:
イアン・フリード
アル:
アル・シルバーニ
ラバーのマネージャー:
ウォリー・テイラーク
デューク:
トニー・バートン
サンダーリップス:
ハルク・ホーガン
■STORY
世界中が固唾をのんで見守る中、劇的なノックアウトで王者アポロを倒したロッキー。
それから3年の間に10度の防衛を果たし、まさに順風満帆の人生を送っていた。
しかしそれは、彼のハングリー精神を徐々に奪いつつあった・・・。

そんなロッキーの前に最強の挑戦者が現われる。男の名はクラバー・ラング。充ち足りた生活を送るロッキーとは対照的に、ハングリー精神剥き出しのボクサーだ。そのあまりの強さにトレーナーのミッキーは試合を避けようとするが、ロッキーはクラバーの挑戦を受けてしまう。自信過剰となったロッキーは、ろくにトレーニングも積まずクラバーとの試合に挑むが、結果はロッキーの2ラウンドKO負け。さらに試合直前、心臓発作で倒れたミッキーは還らぬ人となってしまう・・・。

人生の絶頂から一気にどん底に落とされたロッキーの前に、一人の男が雪辱戦への協力を申し出た。それはかつての敵、アポロ・クリードだった。

「俺と闘った時、君は“虎の目”をしていた・・・。」

元王者アポロの協力を得たロッキーは、果たして失われた闘争本能を再び取り戻すことが出来るのか・・・・!?
■解説

★現在、この作品の解説文は「改訂版」を作成中なのですが、まだまだ時間が掛かりそうなので、以前の解説文をそのまま掲載しています。(自分としては、以下の解説文は納得のいかない、非常に幼稚な解説文だと思ってます。文章そのものも短かくてつまんねぇし。
つーかオレはアホだから、短くて幼稚な文章しか書けねぇんだよ!文句あっか??)

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スタローンが無名時代に書いた一本の脚本、「ロッキー」。その続編の「ロッキー2」、そしてこの「ロッキー3」。当初ロッキーシリーズは、「ロッキー三部作」として、この「3」で完結するはずだった。が、このドル箱シリーズを製作会社がそんな簡単に手放すはずもなく、その後、さらに2本の続編が作られる事になる。

この作品は、シリーズ中でも特に人気の高い作品ですね。まぁ1作目は別格として、それ以外では「4」と並んで人気が高い。オレ自身も、かなり好きな映画です。前作でついに世界王者となったロッキーが、人生の絶頂期を迎える。が、人生はそんなに甘くない。絶頂から一瞬にしてどん底へ。果たしてロッキーは、いかにしてどん底から這い上がるのか!?まぁ簡単に説明すればこんな感じの作品ですね(笑)

全体的に良く出来た作品だと思うし、物語の軸となる人間ドラマ、そしてボクシングシーン、どれもが良かったと思う。よく世間では、「ロッキーは 3まで」だとか、「3でやめときゃ良かったのに・・・」などと言われていますが、確かにこの「3」まではストーリーもしっかりしていて、きちんと前作から話がつながっている。その後の「4,5」のような、いかにも「あとから考えました」的な映画にはなっていない。そして「1,2」の人間ドラマ主体の作品の良い部分と、「4」のアクション主体の作品の良い部分、両方がバランス良く入った上手い作りになってます。ちなみに、前作同様この作品も、スタローン自身による脚本・監督作。やっぱりスタローンは上手い!

オレがこの映画で最も好きなシーンは、クラバーに敗れ、ミッキーも逝ってしまい、どん底に突き落とされたロッキーが、フィラデルフィアの街をひとり彷徨い、そして自分の銅像に向かってバイクのヘルメットを投げつけるシーン。あのシーンは何とも言えない男の寂しさと悲しさが出ていて大好きです。バックに流れるビル・コンティの音楽も泣かせてくれます!

好きなシーンをもう1つ。
クラバーとの再戦が決まっても全くやる気を見せず、弱音を吐くロッキー。そんなロッキーを叱咤激励し、やる気にさせたエイドリアン。あの浜辺のシーンも最高だね。それまで本音を隠していたロッキーが、「怖いんだ!初めて怖いんだ!」と妻の前で初めて本音を吐き出す。あのシーンは、妻に励まされる男というより、母親に叱られてる息子って感じに見えなくもない(笑)エイドリアンはロッキーの妻であると同時に、実は母親的存在でもあったのではないかと思う。「5」にも似たような場面が出てきますが、ロッキーはいつもエイドリアンに叱られてばっかり。「バカな子ほど可愛い」とよく言いますが、エイドリアンから見たロッキーは、きっと「バカな男ほど可愛い」って感じなんでしょうね(笑)

そしてこの映画を見ていると、ある事に改めて気付かされる。それは、たった一人で戦うランボーとは違い、ロッキーは周囲の人間に支えられて生きているという事。エイドリアン、ポーリー、ミッキー、そしてアポロ。みんなに支えられてこそ、ロッキーは強くなれる。そのことがシリーズ中で一番良く分かる作品だと思います。

ただ、この3作目から、基本的なロッキーのキャラが変わってしまったように思う。「1」と「2」では、身なりも言葉づかいも汚いチンピラボクサーで、だけど人の良い「隣りのあんちゃん」的なキャラだった。それが「3」の冒頭では、いきなり「大人の紳士」になっている(笑)。世界チャンピオンともなれば、まぁ変わって当然といえば当然なんですが、あの変わり様は何となく好きになれない。この作品の中では、復活を誓うロッキーよりもむしろ、出世したロッキーをうらやむポーリーのほうに共感しますね。「オレとお前は昔からのゴロツキ仲間だろ?なのになんでお前だけ・・・」みたいなポーリーの気持ちが痛いほど分かる。映画自体も前作とは雰囲気も変わり、娯楽性が高い作風となっていて、そこから始まる「ロッキーシリーズ・アクション路線」については賛否両論ですね。

さて、ここからはスタローンのボクシング技術の話をします。
シリーズ中、最もすばらしいボクシングテクニックを魅せてくれるのが、この「3」です。前作までは、ほとんど素人に近かったスタローンの動きが、この映画ではまるで別人のように良くなっている。パンチの打ち方、ディフェンステクニック、フットワークまで、文句なしに上手い。そのままプロになれるほど上手い。特に左ストレートの打ち方がいい。キレイに真っすぐ伸びるストレート。すばらしい!これは相当トレーニングを積んだ結果だと思います。恐らく、本物のボクサーが本物の試合に出る前のトレーニングと同等の特訓を積んだに違いない。はっきり言って、その辺の日本のエセ役者には絶対マネできない(笑)。体も前作とは見違えるまでにシェイプされ、まさにパーフェクトボディ。あぁ、あんな体になりたい・・・(爆)

「ロッキー3」といえば、忘れてはいけないのが、主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」ですね。この曲は、ロッキーシリーズ・第二の主題歌とも言うべき不滅の名曲。ロッキーシリーズを見たことのない人でも、この曲を知ってる人は多いだろう。カッコ良すぎのイントロに始まり、カッコ良すぎのサビ、そしてカッコ良すぎの歌詞。個人的には、スタローン映画の主題歌の中で1、2を争うほど好きです。あのイントロのカッコ良さに勝てる曲を、オレは未だ聴いたことがない。

この「アイ・オブ・ザ・タイガー」は、なんとその年のアカデミー歌曲賞にノミネートされるという快挙!!(受賞は逃したけど)さらにこの曲を歌ったサバイバーは、同年のグラミー賞で見事「最優秀ロック・グループ」に選ばれた。この曲を聴いて燃えない奴は男じゃねぇ!!!男なら燃えろ!!!(爆)

ところで、今回は劇中にロッキーの住む豪邸が出てきますが、あれはなんと、あのモハメド・アリの実際の邸宅!その影響で製作当時、「クラバー役はアリが演じるのでは!?」という噂が流れたほど。そういえば当時スタローンは、チャリティー試合でロッキーと闘うレスラー役として「アントニオ猪木に出演してほしい!」なんてことも言ってたらしいですね(笑)あのチャリティー試合の場面は、恐らくアリと猪木が日本でやった試合をヒントにして作られたシーンでしょう。で、スタローンは猪木本人に出演してほしかったのかもしれませんね。ま、個人的にはハルク・ホーガンで正解だったと思います(笑)

最後にこの作品の興行成績の話を。
全米興収1億2280万ドル。これは当時のスタローン映画の興行新記録となった。その約一ヵ月後に公開された日本でも、配収16億7000万円と、こちらもやはり当時のスタローン映画最大のヒットとなった。現在でも「ロッキー3」の全米興収は、スタローン映画歴代3位。今のスタローンにはそう簡単に出せる数字じゃありません・・・。
■DATA
全米公開:1982年 5月28日
日本公開:1982年 7月 3日
全米再公開:1983年 5月 6日

全米初登場:
1位(12週連続TOP10入り。通算21週TOP10入り。)
オープニング興収:
$16,015,408(5/28〜31)、$12,431,486(5/28〜30)
上映館数:
939スクリーン(再公開時:1,071スクリーン)
全米年間ランキング:
4位(1982年)
全米再公開初登場:
9位
再公開時の興収:
$902,228(5/6〜8

全米興収:
$122,823,200($125,049,125 というデータもあり。)
日本配収:
16億7000万円(22億5000万円というデータもあり。)
全米レンタル収入:
$66,263,000

[アカデミー賞]
歌曲賞「Eye of the Tiger」:ノミネート

[ラズベリー賞]
最低新人賞(ミスター・T):ノミネート
■宣伝コピー
[アメリカ]
1.「A Fighter. A Lover. A Legend. The Greatest Challenge.」
2.「The Excitement... The Power... The Man...」


[日本]
1.「あの愛と戦いのドラマが、今ここに完結する!」
2.「愛と戦いのドラマは遂に、全世界待望のクライマックスへ!」
3.「アカデミー賞に輝く第1作、チャンプになった第2作、そして、第3作は最強の敵の挑戦を受けた!」


[サントラ]
「ヒット曲“アイ・オブ・ザ・タイガー”にのって四角いジャングルにロッキーが舞う!!」
■サウンドトラック
サントラジャケット
発売元:東芝EMI
(1982年発売)

[収録曲]
 1.EYE OF THE TIGER
(アイ・オブ・ザ・タイガー/サバイバー)
 2.TAKE YOU BACK[Tough Gym]
(テイク・ユー・バック/フランク・スタローン)
 3.PUSHIN'
(プッシン/フランク・スタローン)
 4.REFLECTIONS
(中傷)
 5.MICKEY
(ミッキーの死)
 6.TAKE YOU BACK
(テイク・ユー・バック/フランク・スタローン)
 7.DECISION
(決戦の夜明け)
 8.GONNA FLY NOW
(ロッキーのテーマ)
 9.ADRIAN
(エイドリアンの愛)
10.CONQUEST
(熱い闘い)



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