「ロッキー2」(Rocky II) (1979年/119分/United Artists作品・ユナイト映画配給) |
■STAFF |
製作:ロバート・チャートフ、アーウィン・ウィンクラー 監督:シルベスター・スタローン 脚本:シルベスター・スタローン 撮影:ビル・バトラー 編集:ダンフォード・B ・グリーン ボクシング・シーン編集:クリストファー・V ・ホームズ 音楽:ビル・コンティ 美術:リチャード・バーガー 装置:エド・ベアー ボクシング振付:シルベスター・スタローン |
■CAST |
ロッキー・バルボア:シルベスター・スタローン エイドリアン:タリア・シャイア ポーリー:バート・ヤング アポロ・クリード:カール・ウェザース ミッキー:バージェス・メレディス デューク:トニー・バートン ガッツォ:ジョー・スピネル メリー・アン・クリード:シルビア・ミールズ 愛犬バッカス:バッカス・スタローン |
■STORY |
世界ヘビー級タイトルマッチで互角の死闘を演じたロッキーとアポロ。リング上では「リターン・マッチはしないぞ!」と語っていたアポロだったが、控え室に戻ろうとするロッキーに向かって、「いつでも相手になってやる!」と挑発。しかしロッキーはアポロの相手をする余裕もなく、控え室に戻っていった。 数日後、傷の癒えたロッキーは恋人エイドリアンと結婚。ミッキーやポーリーたちと、教会でささやかな結婚式を挙げた。やがてエイドリアンが妊娠。いつまでものほほんとしていられないと感じたロッキーは、何か正業に就こうと考えた。が、良い仕事はなかなか見つからず、結局、ポーリーが勤める精肉工場で働くことになった。だが経営状態のよくない工場は、ほどなくして人員整理に踏み切り、ロッキーにクビを言い渡した。 一方、ロッキーに思わぬ苦汁を飲まされたチャンピオン、アポロ。世界タイトルを防衛したとはいえ、その無様な戦いぶりに世間からは「八百長」の声もあがり、アポロは汚名を晴らすため、ロッキーに再戦を申し込む。仕事を失い、金も底をつきそうな今のロッキーにとってそれは願ってもないチャンスだった。しかし、前回の試合で眼にダメージを受けていたロッキーは、もはやボクサーとして使いものなる身体ではなかった。トレーナーのミッキー、そして妻エイドリアンも試合をすることに猛反発。 人生の壁に突き当たり、迷い悩むロッキー。 だがそれでもロッキーは孤独の中でたった一人、トレーニングを開始した・・・・。 |
■解説 |
★現在、この作品の解説文は「改訂版」を作成中なのですが、まだまだ時間が掛かりそうなので、以前の解説文をそのまま掲載しています。(自分としては、以下の解説文は納得のいかない、非常に幼稚な解説文だと思ってます。文章そのものも短かくてつまんねぇし。 つーかオレはアホだから、短くて幼稚な文章しか書けねぇんだよ!文句あっか??) ---------------------------------------------------------------------------- 前作の大ヒット、そしてアカデミー作品賞受賞により一躍スターの仲間入りをしたスタローンが、今度は自ら監督したシリーズ2作目。(スタローン監督作としてはこれが2本目)前作同様、脚本もスタローン自身によるもの。「ロッキー」以降、ヒット作に恵まれなかったスタローンが、ふたたびロッキーとして戻って来た!! この作品は、1作目の雰囲気、キャラクター、音楽、演出、すべてをそのまま引き継いだ、シリーズ中唯一の作品だと思う。3作目以降、ロッキーのキャラクターも変わり、映画の雰囲気も変わっていく・・・。(それまでやんちゃ坊主だったロッキーが、3作目でいきなり大人の紳士になっている。) そういった意味でもオレはこの「ロッキー2」、かなり好きです。 1作目のロッキーが一夜にしてヒーローになり、演じたスタローン自身もスターになったのと同じように、この2作目でも劇中のロッキーと実生活のスタローンがダブって見えるんですよね。ロッキーは一夜にして大金を手にしたもんだから、2作目ではその金でいろんなものを買いまくる。こういう所なんかは、貧乏役者がいきなり金持ちになってしまったスタローン自身と完全に重なる部分だと思う。ガキの頃から貧乏だったスタローン=ロッキーが、いきなり金持ちになっちまったもんだから、そりゃエライこっちゃで〜(笑)。金の使い方も知らないもんだから、運転もロクに出来ないクセに高級車は買うわ、エイドリアンに毛皮のコートは買うわ、趣味の悪いトラの刺繍が入ったジャケットは買っちまうわで、もう大変(笑)。要するにこれって全部、実生活のスタローンそのものなんだと思う。まぁそこがこのロッキーシリーズの良さであり、スタローンが演じる他のキャラクターとは決定的に違う部分でもあるのだろう。 作品としての感想は、単純に「良い映画」だったと思います。ドラマあり、笑いあり、涙あり、感動あり。すべて揃ったすばらしい作品だと思う。シリーズ全体としては最も地味な作品かもしれませんが、やはり1作目の良さをそのまま受け継いだ唯一の作品として、もっと評価されてもいいと思う。そりゃ作品の出来としては「1」に比べりゃ落ちるだろうけど、だからと言って決して悪い作品ではないでしょ。何よりもストーリーがしっかりしてるからね。 さてさて、前回のアポロとの試合で目を傷めたロッキーは、ボクシングから足を洗って普通の職に就こうとする。しかし学歴も職歴もないロッキーにそんな簡単に仕事は見つからない。結局はポーリーが働いていた精肉工場で雇われるものの、人員整理ですぐにクビ。これって何と言うか、三十過ぎるまで定職に就いたこともなく、その日暮らしだった元ボクサーのミジメさっていうのかなぁ、現実の“ボクサーくずれ”と呼ばれる人たちも、きっとみんなこういう時期があるんだろうなぁ、なんて思ってしまう。でもオレに言わせればそれはミジメでも何でもなく、むしろ立派な生き方だと思う。だってさぁ、今までボクシングしか知らなかった男が女房のために一生懸命に働く姿ってものが、ミジメなわけねぇもんよ。 ところがまぁ、世間はそんなに甘くない。かつて世界王者と互角に戦った男が、今やジムの雑用係やってんだもんね。そりゃ笑いもんになるわな。せっかく“ただのゴロツキじゃないってことを初めて証明できた”のに、それがあっという間に逆戻り。そんなロッキーは自分が世間に笑われてることを知ってる。だけど必死で我慢してる・・・。でもね、どんなに世間の奴らに笑われても罵られても、必死で生きてるロッキーの姿は紛れもなく“男”なんだよ。 そう考えるとさ、「ロッキー2」ってやっぱり人間ドラマだよね。やっぱりボクシングシーンは映画の背景でしかないんだよね。まぁ結果、もう一度リングに上がるわけだけど、これもまた何か役者としてのスタローンとダブって見えてしまう。「ロッキー」で成功したはいいけど、その後の主演作はどれも失敗。で、スタローンは「続編はやらない」と言っていたにもかかわらず、結局は続編を作らざるを得なくなった。映画のほうも前作のラストで、「リターンマッチは無しだ!」と言っておきながら、今作の冒頭ではいきなり「もう一度勝負だ!」みたいな展開になってますよね(笑)。まぁ要するにスタローンとロッキーは一心同体ってことですね。 で、そんなロッキーに対しアポロは執拗な挑発を続ける。 「もう一度オレと戦え!今度こそ決着をつけてやる!」 ロッキーはそれを見て見ぬ振りで無視しようとする。が、仕事も金もないロッキーは、もう一度だけリングに上がることを考え始める。しかし、ロッキーの体が心配で猛反対するエイドリアン・・・うん、その気持ちは痛いほど分かる。片や身重のエイドリアンにこれ以上苦労をかけたくないロッキー・・・うん、その気持ちも痛いほど分かる。これは今作で夫婦となった二人に初めて訪れた苦難・・・。 このあたりは、映画を観る側も男と女の立場の違いでどちらに感情移入するか分かれるところだろうね。ちなみにオレは男なんで、やっぱりこれ以上女房に苦労はかけたくないっていうロッキー側の気持ちで見てしまう。すっからかんの今の生活から抜け出したい!早く女房を楽させたい!たとえ自分がどうなろうとも・・・って思うのが男でしょ。 やがてロッキーは、エイドリアンの反対を押し切ってでもリングに上がることを決意する。ところがロッキー、なかなか女房の賛同を得られないため全く練習に身が入らない。ミッキーに怒鳴られながらも、イマイチやる気の出ないロッキー。彼にとって、やはりエイドリアンの存在は偉大だ(笑)。女房が「YES!」と言ってくれないと、まともに戦うことも出来ない。でもそんな“弱さ”がロッキーのいい所。 数日後、エイドリアンは元気な赤ん坊を出産するが、早産の影響と疲労によりエイドリアンは昏睡状態に・・・。「君がやめろと言うなら、もうボクシングはやめるよ。」やはり女房のために足を洗う決意をするロッキーは、エイドリアンが目覚めるまで何日も何日も祈り続ける・・・。そんなロッキーの祈りが通じたのか、ようやく意識を取り戻したエイドリアンは開口一番、こう言った・・・ 「勝って!」 この一言で見事にロッキー復活!こうして世界一単純な男は再び猛練習を始めるのであった(笑)。今度こそやる気満々でフィラデルフィアの街を疾走するロッキー。この場面、前作の孤独な雰囲気とはガラリと変わり、途中から大勢の子供たちがロッキーと一緒に走り、あの階段を一緒に駆け上る!このシーンを前作とは対照的に描いたスタローン監督に乾杯!(笑)。そして再戦の日がやって来た。試合会場は地元フィラデルフィア・スペクトラム。街のみんなの声援を受け、ロッキーは会場へ向かう。退院したばかりのエイドリアンは家でテレビ観戦だ。さぁ、いよいよ決戦のゴングだ!!! ここでちょっとボクシングシーンについて。 今回のファイトシーン、前作に勝るとも劣らない迫力のファイトシーンなんですが、ただ1つだけ好きになれない所があります。それは、「最初はオーソドックス(右構え)で戦い、途中でサウスポーにスイッチしろ。」というミッキーの作戦に対するロッキーの言動。最初は「小細工は使いたくねぇ!小細工はイヤだー!」とか言って、スイッチすることを頑なに拒んでいたロッキーが、次の場面であっさり作戦を実行する所がイヤだー!(爆)だってその直前まであんなにイヤがってたのは何だったんだ?って感じ(笑)。まぁしかし、最終15ラウンドで見事アポロをKOしたロッキーは、遂に世界王者となりチャンピオンベルトを手にすると、「エイドリアン!やったぞ!」っと絶叫。このラストは涙なくしては観られない大感動のシーンだね。思わずテレビ観戦のエイドリアンと一緒にオレも泣いちまったぜ(涙)。でもホント、これは前作にも負けない感動のラストだと思います。 ところで、ロッキーシリーズのボクシングシーンに対して「技術がない」とか「あんなにダウンしたらレフリーが止めるだろ」とか言うバカがよくいますが、そいつらに一言・・・つまらん事を言うなアホ!!これは映画だよ映画!!本物のボクシングみたいに玄人好みの“凡戦”を映画でやってどうすんのよ?映画だからダウンが多くて当然!映画だからパンチの大振りが多くて当然!映画だからカウントが長くて当然!(爆)。モーションのないパンチ打ったって、そんなのは映画じゃねぇだろ。つまんねぇだろ。そんな事ばっかり言ってる奴ってホント、お前らは映画向きじゃないんだよ。 では最後に・・・ オレはこの「ロッキー2」を見て心に決めたことが2つある。 1つめは、恋人にプロポーズする時は動物園でする。(必ずトラの檻の前で。笑) 2つめは、結婚式は教会で本当に親しい人間だけ集めてやる。(4、5人で) 実はオレ、この2つのシーンが大好きなんです(笑)。地味でダサくて不器用。でも素朴であったかくてどこか憎めないロッキー。そんなロッキーと結婚するエイドリアン。それを祝福するポーリーとミッキー。最高だね。シリーズ中でも、こんなにあったかいシーンは他にないよ。そしてこの2つのシーンは、オレにとっては「エイドリア〜ン!」に匹敵するほどすばらしいのです!! 以上、オレ様のくだらない感想文終わり(笑) ちなみに、スタローンとアポロ役のカール・ウェザースの二人は、この映画のファイトシーンのために実質750時間もの猛トレーニングを積んだそうです。いや〜スゴイね。でもその割にはスタローン、あんまりボクシングが上達してないような気もする(笑)。あっそうか、もともと左利きのスタローンが終盤まで右構えで戦ってるから何となくぎこちなく見えるのか。まぁとにかく、それだけのトレーニングを積めば二人とも本物のボクシングの試合に出れるよ。マジで。 |
■DATA |
全米公開:1979年 6月 15日 日本公開:1979年 9月 1日 全米初登場:1位 オープニング興収:$6,390,537(6/15〜17) 上映館数:780スクリーン 全米興収:$85,182,160 海外興収:$114,817,840 日本配収:9億5000万円 世界興収:$200,000,000 全米レンタル収入:$42,169,000 |
■宣伝コピー |
[アメリカ] 1.「The story continues...」 2.「The Rematch Of The Century 」 [日本] 「ロッキーはふたたびリングに立つ!」 |
■サウンドトラック |