「ランボー/怒りの脱出」(Rambo:FirstBlood Part II)
(1985年/100分/カロルコ・プロ作品/東宝東和配給)
パンフレット
■STAFF
製作総指揮:マリオ・カサール、アンドリュー・バイナ
製作:
バズ・フェイトシャンズ
監督:
ジョージ・P ・コスマトス
脚本:
シルベスター・スタローン、ジェームズ・キャメロン
撮影:
ジャック・カーディフ
編集:
マーク・ゴールドブラット
音楽:
ジェリー・ゴールドスミス
キャラクター原案:
デビッド・マレル
バトル・シーン監督:
リチャード・ファーンスウォルス
武器アドバイザー:
トニー・マファトン
■CAST
ジョン・ランボー:シルベスター・スタローン
トラウトマン大佐:
リチャード・クレンナ
コー・パオ:
ジュリー・ニクソン
マードック司令官:
チャールズ・ネピア
ポドフスキー中佐:
スティーブン・バーコフ
エリクソン工作員:
マーチン・コーブ
バンクス:
アンディ・ウッド
タイ軍曹:
ジョージ・キー・チュン
海賊ヴィン:
ウィリアム・ジェント
ユーシン軍曹:
ボージョ・ゴーリク
■STORY
警官1000人を相手にひき起こした大事件のために服役中のランボーは、
元上官トラウトマンに釈放と引き換えに特殊任務につくことを持ちかけられる。
その任務とは、未だベトナムで行方不明となっている兵士たちの状況を探ることだった。
この話を受け入れたランボーは、マードック司令官の待つ活動基地へと向かった。

「敵と闘ってはならない。情報の収集だけをせよ。」
マードックの指令に従い目的地へ向かうランボー。
だが、敵の捕虜収容所で米兵に対する拷問現場を目撃したランボーは、マードックの指令に背いて米兵を救出した。

それを知ったマードックは激怒し、ヘリでの救出作戦の中止を命令する。
あと一歩のところで味方に裏切られたランボーは、敵地ベトナムに置き去りにされてしまう・・・。
■解説

★現在、この作品の解説文は「改訂版」を作成中なのですが、まだまだ時間が掛かりそうなので、以前の解説文をそのまま掲載しています。(自分としては、以下の解説文は納得のいかない、非常に幼稚な解説文だと思ってます。文章そのものも短かくてつまんねぇし。
つーかオレはアホだから、短くて幼稚な文章しか書けねぇんだよ!文句あっか??)

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前作「ランボー」公開後の83年初頭、スタローンの元に届いた一通のファンレター。差出人はベトナム帰還兵で、文面には映画への称賛と共に、戦闘中行方不明者(Missing In Action = M.I.A.)となってしまった兄の事が書かれ、「もし“ランボー”の続編を作るなら、ぜひ取り上げてほしい」と添えられていた。この一通の手紙から生まれたのが本作「ランボー/怒りの脱出」である。

ベトナム戦争終結から10年を経た85年の公開当時、マスコミによるベトナム再認識の風潮から、世論に敏感なハリウッドは、M.I.A.やP.O.W.(戦争捕虜)をテーマにした様々な作品を世に送り出していた。その決定版ともなったのが本作であった。それだけに、アメリカのいわゆる良識派からは「ベトナム戦争ファンタジー映画」と蔑まれ、強烈な反発を受けた。しかし、冷戦の影響でM.I.A.問題に積極的に取り組まない合衆国政府への不満など、現実の世界ではベトナム戦争による精神的後遺症が未だに癒えず、本作のような戦争ファンタジーが与える幻想の勝利感でしか、そのフラストレーションを解消出来なかった事もまた事実だったのである。

っとまぁ、レーザーディスクの解説文をそのまま書いてみましたが、これを読めば、この映画がただのアクション映画ではないことがお分かりいただけると思います。まぁ確かに、レーガン政権下での「強いアメリカを取り戻せ!」的な内容で、アメリカ人だけが大喜びする映画だとは思う。でもこの映画には、「本当の敵はベトナムではなく、アメリカ合衆国そのもの」というメッセージも入っている。当時の宣伝コピーには、「人間であり続けるために、男は “国家”に戦いを挑んだ・・・」とある。この “国家”こそが、アメリカ合衆国なんですね、要するに。

そしてラストのランボーのセリフ、「彼らが国を愛したように、国も彼らを愛してほしい・・・俺の想いも同じだ」。これがこの映画のメッセージそのものでしょ。裏切られても見捨てられても、それでも国を愛するランボーの姿は、実際のベトナム帰還兵やその家族の想いを代弁していて、1作目同様、ラストは泣かせます。

さてさて、ここからはこの作品の「娯楽映画」としての解説に入ります(笑)。この作品は、アクション映画の金字塔とでも言うべき80年代のbPアクションムービー。(っと、オレが勝手に思ってる。笑)それまで観客がスタローンに対して抱いてたイメージは、ロッキーだった。しかしこの作品によって人々は「スタローン = ランボー」と思うようになった。それほどまでに強烈な印象を残した作品だと思います。

「80年代は筋肉と爆薬がすべてだった」と、スタローン本人も言ってるように、この映画での爆薬の量とアクション描写のスケールは、それまでのアクション映画の常識を超えていた。滝からダイビングはするわ、ロケットランチャーはぶっ放すわ、出てくる敵は皆殺しにするわ、それはもうスゴイの一言(笑)。そして、「アクションスターはマッチョ」というお決まり路線を確立したのも、この作品が最初だと思う。あ、そうそう、ランボーのトレードマークである「弓矢」が登場するのもこの作品から。

スタローンファンとして誇りに思うのは、この作品は、「映画史上最もパクられた本数が多い映画」ということ。単なるパロディ映画も多いですが、それ以上に確信犯的にパクった映画の数が尋常じゃない(笑)。未公開の戦争アクションものは、必ずと言っていいほど「ベトナム帰還兵もの」か、「ベトナム捕虜救出もの」。主人公はマッチョで頭にはハチマキ。ランボーそのまんま。80年代半ばから後半にかけて、凄まじいほどのバッタもんを生んだのが、この「ランボー/怒りの脱出」。数年前まで、レンタルビデオ店の「戦争アクションコーナー」に行くと、ほぼすべてのビデオが「ランボー2」のパクリだった(笑)(でも、パクられた本数が多いのは「2」だけで、「1」と「3」は意外と少ないんです。)

現在のCGを多用しまくった超大作と比べても、まったく見劣りしないアクションは、スタローンファンとしては今でも胸を張れる所ですね。爆発、格闘、ヘリ、ミサイル、そして役者。すべてが本物だもんね。最近のゲームみたいなSF映画なんかと比べるまでもないぜ!!!まぁ「昔のほうが良かった・・・」なんて言うとオッサン扱いされそうですが(笑)、でも改めて思うよ。昔のアクション映画のほうが絶対スゴイ!しかしまぁ、この映画を撮った監督のジョージ・P・コスマトスという男、はっきり言って評価は低い。代表作と呼べるものはこの「ランボー2」と「コブラ」くらいしかない。でもオレ、スピルバーグなんかよりこの人のほうがよっぽど好きなんだよね。

アクションの見せ方やスタローンの撮り方をちゃんと分かってる。どう撮ったらカッコ良いアクション映画になるかってのを充分に心得てる。例えば夕日の向こうからヘリが飛んでくるカットなんか最高にかっちょいいし、ロケットランチャーの重量感なんかもたまらんね。なんつーのかなぁ、発射の瞬間ランボーが後ろに反動を受ける場面があるでしょ?あの見せ方なんかも上手いよね。あれを初めて見たときは「スゲェ!外国にはこんな武器があるのか!」なんて思ったりしたもんです(笑)。やっぱりこの映画、何度も見てもスタローンのアクション作品の中では群を抜いてスゴイと思うよ。

スタローンも得意の“悲しい目”で、孤独な戦士ジョン・ランボーを見事に演じている。世間ではこの映画のスタローンの演技こそが、今までで最も酷評されたように思うが、それでもオレは断言できる・・・「見事だ!」救出地点まで必死の想いで逃亡し、やっと到着したと思ったら司令官に裏切られて置き去り・・・。無情にも帰ってしまう味方のヘリを、何とも言えない怒りと失望の表情で見つめるランボー・・・。ここよここ!オレはあの瞬間のランボーの目にホレたんだよ!ビデオを巻き戻して一時停止して何度も何度も繰り返し見たんだよ!(爆)あそこまで悲壮感漂うヒーローが他にいるか?いねぇよ!あそこまで悲しい目だけでアクションが出来る役者が他にいるか?いねぇよ!そんな悲しい目をしたヒーローを演じられるのは世界中探してもシルベスター・スタローン、ただ一人!(そもそもランボーはヒーローではないのですが、シリーズを重ねていくうちに、いつの間にか国を背負って立つヒーローと化していく・・・)

いきなり話が飛びますが、コー・パオ役で出演していたジュリー・ニクソンはどこへ消えてしまったのでしょうか??オレは個人的に、スタローンの共演女優の中ではダントツでイイ女だと思ってるんですが(笑)。そう思いません??若い頃の姿しか見たことないので、現在の年食った姿は見たくない気もしますが、もう一度どっかでスタローンと共演してほしいっす。最近オレは、テレビや雑誌で「菊川 怜」を見るたびに、この人を思い出してしまう(笑)。ちょっと雰囲気が似てると思いません?

またまた話は飛びますが、1作目で右腕に負った傷(自分で縫った傷)が、この作品でもちゃんと残ってるんですよね。そしてこの2作目では顔に傷を負いますが、その傷がちゃんと3作目にも出てくる。このシリーズはそういった部分の描写がしっかりしていますね。(気付かなかった人はもう一度ビデオで見直してみましょう。笑)

さて、1作目の解説文にも書きましたが、原題に「RAMBO」というタイトルがつくのは、この2作目から。邦題の「ランボー」に目をつけた向こうの関係者が、日本のマネをして「RAMBO」の名前を2作目のタイトルに使った。そして、この2作目の時点ではまだ「First Blood」というタイトルが生きてますが、3作目では完全に消えてしまいます。3作目にしてようやく、日本もアメリカも共通したタイトル「ランボー3」となりました。(ま、邦題には“怒りのアフガン”という余計なものがつきますが・・・笑。)

ちなみに、この映画の全米興行成績は、スタローン映画史上bP!!!(日本では歴代3位)そしてこの年の全米年間チャートでは、惜しくも1位は逃したものの、年間2位となる大ヒットを記録。「ロッキー4」の年間3位と並んで、まさにスタローン旋風が吹き荒れた年だった。(ちなみに年間1位は“バック・トゥ・ザ・フューチャー”)スタローンの見た目のカッコ良さも、この85年〜87年あたりが一番カッコ良かったと思う。(もちろん現在もカッコイイですが)

空前のスーパーヒットとなった「ランボー/怒りの脱出」。しかしそれにしても、この記録を破ってくれるようなスタローンの大ヒット作が未だに出ないってのも寂しいもんですな・・・。
まぁ、いずれにしてもこの映画が、80年代のbPアクションムービーであることに変わりはなかった。
そう...80年代の終わりに、あの「ダイ・ハード」が登場するまでは・・・。
■DATA
全米公開:1985年 5月22日
日本公開:1985年 8月 3日

全米初登場:
1位(4週連続1位。10週連続TOP10入り。)
オープニング興収:
$25,200,000(5/24〜27)、$20,176,217(5/24〜26)
オープニングTOTAL興収:
$32,244,967($27,251,854)
上映館数:
2,074スクリーン
全米年間ランキング:2位(1985年)

全米興収:
$150,415,432
海外興収:
$150,000,000
日本配収:
25億円
世界興収:
$300,400,000
全米レンタル収入:
$78,919,000

[アカデミー賞]
音響効果賞:ノミネート

[ラズベリー賞]
最低作品賞:
受賞
最低監督賞(ジョージ・P ・コスマトス):ノミネート
最低脚本賞(スタローン&キャメロン):
受賞
最低主演男優賞(シルベスター・スタローン):
受賞
最低助演女優賞(ジュリー・ニクソン)」:ノミネート

最低新人賞(ジュリー・ニクソン):ノミネート
最低主題歌賞(Peace in our Life):受賞
■宣伝コピー
[アメリカ]
1.「No man, no law, no war, can stop him.」
2.「What you call hell, he calls home.」
■サウンドトラック
サントラジャケット(85年盤)
(1985年盤)
サントラジャケット(91年盤)
(1991年盤)
発売元:キング・レコード(85年盤)

[収録曲]
 1.MAIN TITLE
(メイン・タイトル)
 2.PREPARATION
(ランボー復活)
 3.THE JUMP
(ジャンプ)
 4.THE SNAKE
(大蛇の襲撃)
 5.STORIES
(思い出)
 6.THE CAGE
(虜われのランボー)
 7.BETRAYED
(裏切り)
 8.ESCAPE FROM TORTURE
(拷問からの脱出)
 9.AMBUSH
(待伏せ)
10.REVENGE
(怒りの復讐)
11.BOWED DOWN
(復讐のジャングル)
12.PILOT OVER
(パイロット・オーヴァ)
13.HOME FLIGHT
(勝利の帰還)
14.DAY BY DAY
(デイ・バイ・デイ)
15.PEACE IN OUR LIFE/Frank Stallone

   (85年盤:心のかけら、91年盤:心の安らぎ/フランク・スタローン)



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