「ロックアップ」(Lock Up) (1989年/106分/ホワイト・イーグル・エンタープライズ作品/東宝東和配給) |
■STAFF |
製作総指揮:マイケル・S・グリック 製作:ローレンス・ゴードン、チャールズ・ゴードン 監督:ジョン・フリン 脚本:リチャード・スミス、ジェブ・スチュワート、ヘンリー・ローゼンバウム 音楽:ビル・コンティ 編集:マイケル・ヌー、ドナルド・ブローシュ 撮影監督:ドナルド・E・ソーリン プロダクション・デザイナー:ビル・ケニー 衣装デザイナー:バーニー・ポラック キャスティング:ジョイ・トッド 共同製作:トニー・ムナホ ユニット・プロダクション・マネージャー:マイケル・S・グリック |
■CAST |
フランク・レオン:シルベスター・スタローン ドラムグール刑務所長:ドナルド・サザーランド マイスナー:ジョン・エイモス チンク:ソニー・ランダム ダラス:トム・サイズモア イクリプス:フランク・マックレイ メリッサ:ダーレーン・フリューゲル ブレイデン:ウイリアム・アレン・ヤング “ファースト・ベース”:ラリー・ロマーノ マンリー:ジョルダン・ランド ワイリー:ジョン・リラ アーニー:ディーン・デュヴァル ルイ・ムナホ:ジェリー・ストリベリ マストローン:デヴィッド・アンソニー・マーシャル |
■STORY |
いわれなき罪で投獄され、残りあと6ヶ月の刑期を模範囚として送るフランク・レオン。だがある日突然、見たこともない制服に身を包んだ男たちの襲撃を受け、強制連行されてしまう。レオンが運び込まれていったのは、別名“地獄の館”と恐れられるゲートウェイ刑務所。そこはハイテク技術によって完全管理され、所内には5000人もの凶悪犯たちが収容される全米最大の刑務所。 連行されたレオンの目の前に現われたのは、冷酷無比な男として知られるドラムグール刑務所長。かつてレオンが服役していた刑務所の所長だった男だ。ドラムグールは看守や囚人たちを使い、レオンを徹底的に痛めつけ、サディスティックなまでの攻撃を仕掛ける。それはかつてレオンの脱獄がきっかけでマスコミに叩かれ、失脚したドラムグールの復讐だった・・・。 |
■解説 |
★現在、この作品の解説文は「改訂版」を作成中なのですが、まだまだ時間が掛かりそうなので、以前の解説文をそのまま掲載しています。(自分としては、以下の解説文は納得のいかない、非常に幼稚な解説文だと思ってます。文章そのものも短かくてつまんねぇし。 つーかオレはアホだから、短くて幼稚な文章しか書けねぇんだよ!文句あっか??) ---------------------------------------------------------------------------- 「スタローン映画ってどんな映画?」 もし人にこう聞かれたら、迷わずオレは「“ロックアップ”を見ろ!」と言うだろう。「ロッキー」でも「ランボー」でもなく、ましてや「オスカー」でもなく(笑)、なぜ「ロックアップ」なのか?それは、まさしくこの作品こそが、“教科書的なスタローン映画”だから。 もうすぐ出所できる模範囚が、突然“地獄の館”へ送られる。そして彼に恨みを持つ刑務所長から執拗な嫌がらせや虐待を受ける。普通のアクションスターなら、この時点で所長をぶっ飛ばして脱獄してるはず(笑)ところがスタローンの場合、ここでじっと怒りを抑え、ただひたすらガマン!ガマン!ガマン!っとなると当然、サディスティックな所長の嫌がらせは次第にエスカレート。それまで何とか耐えてきたスタローンも、ここでついに怒り爆発!「うぉーっ!!!!」っといつもの雄叫びをあげ、反撃開始!!! スタローンと他のアクションスターの大きな違いはここ。 圧倒的な強さで悪役をいきなりやっつけるヒーローといえば、例えばシュワルツェネッガーだったり、セガールだったりする。しかしこれがスタローンの場合、まずは自分自身がやられるところからスタートする(笑)で、とにかく耐える。どんなにやられても限界まで耐える。そして、耐えて耐えて耐えて・・・一気に大爆発!!!(爆)観客もスタローンがイジメられてる姿を望んでいて、そこからガマンの末に反撃するスタローンが見たいんだよね。スタローン映画を見ながら、「まだだ、まだ耐えろ、まだガマンしろ、今だ!反撃しろー!」ってな感じの人も多いはず(笑)スタローン自身もインタビューで、「おかしなことに、観客は僕がやられる姿を望んでるみたいなんだ(笑)」と語ってましたね。 つまり観客が最も望んでいる、“やられるスタローン”が耐えに耐え抜いたあとに猛反撃!!!っという究極のスタローン映画。それこそが、この「ロックアップ」なのである!!(力説) さてと、前置きはこれくらいにして(笑)、ここからは映画の内容についての解説に入ります。まず、この作品はオレにとっては「ロッキー」、「ランボー」に次いで、大・大・大好きな映画です。昔よくあった「コンクリート・ジャングル」だとか「チェーン・ヒート」のような、俗に言う「女囚刑務所もの」のスタローン版ですね。ああいったジャンルの映画では、可哀想なくらいに主人公がいたぶられるのが特徴(笑)。子供のころ、そんな映画を見る度に、「アメリカの刑務所にだけは入りたくない!」と思ったものです(笑) このジャンルのもう1つの定番はお色気シーン(爆)。でも「ロックアップ」はスタローン映画なので、そんなお色気シーンががあるはずもなく、ただひたすら男クサイ映画です(笑)それから刑務所内のルールがやたらと厳しいのも特徴。ちなみにゲートウェイ刑務所内のルールは・・・ ・トイレットペーパーは1ヶ月に2ロール。盗まれたり無くしたら自分のシャツでケツを拭け。 ・制服は1着。 ・点呼は1日に6回。1回でもミスったら穴ぐら(独房)行き。 ・決してマイスナー様に逆らうな。 っとまぁこんな感じ。「1ヶ月に2ロールじゃ足りねぇよ!」って感じでしょ?(笑)あなたも映画が進むにつれて、「イヤだー!!こんな刑務所には絶対入りたくねぇー!!」っと思うはずです(爆)。(この作品は、ニュージャージー州にある“イースト・ジャージー州立刑務所”という本物の刑務所で撮影が行われた。しかも映画の中に登場するエキストラの囚人たちは、なんと本物の囚人!本物を映画に出演させてしまうハリウッドはやっぱりスゴイ。笑) そして最も重要な存在・・・それは悪徳看守と極悪刑務所長。 観客が主人公に感情移入するためには、いかにコイツらが“悪”に徹することが出来るかが重要。しかし心配ご無用。この作品では全ての悪役がベストな“悪役ぶり”を見せてくれます。まず、スタローンを徹底的にいたぶる冷酷な刑務所長を演じるのは、ご存知ドナルド・サザーランド。この人が上手いのなんのって。もうマジむかつく野郎を演じてます(笑)。なんてったってあの冷酷過ぎる目が怖いよね。映画を観ていくうちに、「コイツ、めちゃくちゃムカツク!!!ボコボコにしてやりてぇ!!」っと思ったのはオレだけではないだろう(笑)だいたいこの人ってさぁ、顔見てるだけで憎たらしいでしょ?これはもうスタローン映画の中でも5本の指に入るベストキャストだよ(笑) そして怖い怖い看守“マイスナー”を演じるのはジョン・エイモス。 この人、「ダイ・ハード2」なんかにも出演してるスゴイ顔した大男。いかにも“悪徳看守”って感じの面構え(笑)。でもね、本当は・・・って役なんだよね。 <ラストシーンのレオンとマイスナーの会話> レオン:「一番名残り惜しいのはね・・・」 マイスナー:「何だ?」 レオン:「あんたの笑顔さ」 ここで初めて優しい笑顔を見せるマイスナー。このラストは本気で泣けるよ。(看守の中で本当に嫌な奴といえば、あの“マンリー”でしょ。あの野郎はこの映画の中で一番ムカツクぜ!所長よりムカツクぜ!笑) それから忘れちゃいけないのは、ラストのほうでレオンを裏切る囚人仲間のダラス。 演じるのは今や話題の戦争映画には必ず顔を出している(笑)、トム・サイズモア。あの当時はまだまだ痩せてたので、今のような丸っこいオッサンとは大違いでしたね(笑)しかし映画の中ではこのオッサンも泣かせてくれる。一度はレオンを裏切るんだけど、その過ちを死んで償う、男の中の男。一見、いかにも信用できない頼りない男に見えるが、本当はイイ奴だったんだよね・・・(涙)。 泣けるシーンと言えば、オレがこの映画で最も可哀想だと感じたシーンは、“ファースト・ベース”が殺されるシーン。あれは本当に可哀想だった。何度見ても泣けるというか、本当に悲しい場面ですね・・・。あの場面でレオンの怒りが爆発したと同時に、映画を観ている観客の怒りも一気に爆発したんじゃないでしょうか?もう我慢できねぇ!!!やってやる!!!この瞬間、レオンと観客が一体となってチンクに襲いかかる!!!が・・・・・・レオンは最後の最後で手を止めてしまう・・・。このシーンは観客の気持ちも二つに分かれる所でしょう。「やれ!やっちまえレオン!」って思う人と、「ダメよ!そこでやったら所長の思う壺よ!」って思う人(笑)。こういう場面の見せ方はホント、スタローンは上手いよね。 そうそう、忘れちゃいけないのが“泥んこアメフト”のシーン。スタローンはここで大男たちにボコボコにされるんですが、これがまた可哀想なくらい痛めつけられる。それを見ているほとんどの囚人たちは「もっとやっちまえー!」って感じなんですが、ここで初めて、レオンの味方をしてくれる奴が登場!で、いよいよレオンの反撃開始!ボールを持ったレオンは走って走って味方にパス!そしてついにタッチダウン!うぉーっ!大興奮だー!レオンを助けるこの黒人の大男イクリプスを演じるのは、フランク・マックレイ。スタローンとは「フィスト」・「パラダイス・アレイ」・「ロッキー2」でも共演していて、この作品が4度目の共演ですね。この人がイイ味出してるんだよねぇ。典型的な“気は優しくて力持ち”って感じの男を、そのまんま演じてます(笑) ちなみに、この“泥んこアメフト”シーンの撮影中、スタローンは実際に防具なしで囚人たちのタックルを受けて失神。そのまま病院送りとなり、2週間ほど撮影が中断したのは言うまでもない・・・。そんなスタローンはやっぱりカッコイイ(笑)。(オレはいまだにスタローンにアメフトの選手の役をやってほしいと思ってる。とは言っても、もういくらなんでも年がねぇ・・・。) 続きましてはスタローンの演技について。 昔から「スタローンは大根」と言われ続けてますが、はっきり言ってこの映画のスタローンは演技派だ!!!(キッパリ)例えば“シラミ除去室”で苦しむ場面。あれホントに苦しそうに見えるでしょ?上手い証拠じゃん!例えば独房での点呼の場面。何度も何度も起こされて徐々にヤツレていき、次第に精神状態がおかしくなっていくスタローンを見て、「あぁ可哀想・・・」って思ったでしょ?上手い証拠じゃん!(このあたりは最近の「D-TOX」にも通じるものがある。) 例えば点呼をミスって看守たちに警棒でボコボコにされるシーンを見て、「ムゴイ!もうやめろ!」って思ったでしょ?リンチが終わってマイスナーが近づくと、小動物のように恐怖で後ずさりするスタローンを見て、「可哀想に・・・」って思ったでしょ?独房から解放されたはいいが、完全にやる気を失い見事にヤツレて戻って来たスタローンを見て、「あぁ可哀想・・・」って思ったでしょ?例えばラスト、一緒に脱獄すると思ってたダラスに裏切られ、しかしそのダラスも所長に裏切られ、怒り爆発したスタローンを見て燃えたでしょ?上手いんだよ!上手いんだよ!上手いんだよ!!!スタローンは上手いんだよ!!!あんな演技、他のアクションスターどもに出来ると思うか??出来ねぇよ!!!(大力説) 続きましては音楽について。 この作品の音楽担当はロッキーシリーズと同じくビル・コンティ。だから全篇を通して古くさ〜い・・・いや、人間くさい音楽が流れます(爆)。ラストに流れる主題歌「EVER SINCE THE WORLD BEGAN」も最高!!この曲がまたレオンや他の囚人たちの気持ちを代弁しているかのような歌詞で、映画の感動をさらに盛り上げてくれるのよねぇ〜。これを唄うのはサバイバーのジミー・ジェイミソン。この人の声がまた最高に良い!!泣かせてくれるよ。(それまでサバイバーのメイン・ボーカルを務めていたデイヴ・ビックラーの脱退後、84年にジミー・ジェイミソンが加入。サバイバーの曲の中で最も有名な曲といえば「Eye of the Tiger」ですが、これを唄っているのはジェイミソンではなく、デイヴ・ビックラー。なので、「Eye of the Tiger」の声と、それ以降のサバイバーの曲の歌声が違うのは、メンバーチェンジしたからなんですね。ちなみに「ロッキー4」の主題歌「Burning Heart」、「ベスト・キッド」の主題歌「The Moment of Truth」を唄っているのもジミー・ジェイミソン。) それにしてもこの作品、ホントに面白い。アクション・人間ドラマ・感動・そしてスタローンの筋肉(笑)。すべてが詰まった最高の作品。この映画には派手なアクションがあるわけでもなく、特撮シーンがあるわけでもない。だけど見る度にメチャクチャ燃えちゃうんだよね〜。特に終盤、脱獄を図るレオンが必死で逃亡する場面は本気でハラハラドキドキするね。上手いよ。やっぱりスタローンは上手いよ(しつこい)。バカ野郎たちにケンカ売られても絶対に買わないレオン。争い事を好まないレオン。弱い奴を見ると助けたくなってしまうレオン。自分がターゲットにされる事には耐えられても、仲間がやられる事には耐えられないレオン。スタローンが一貫して演じているキャラクターの集大成とでもいうべき男、フランク・レオン。オレはそんなフランク・レオンが大好きだー!!! 最後に興行成績についてですが、まず例によってアメリカでは大失敗(爆)。当時、アメリカでは日本よりも一足早く大スランプ真っ只中だったスタローンが、追い討ちをかけるように「やってしまった」映画(苦笑)その後、日本でも公開されるや否や、こちらも大失敗に等しい成績。ちなみに、オレが見に行った渋谷の劇場は、人里離れた寂しい場所にあり、駅から相当歩いたような記憶があります(笑)。要するにそれだけ小規模公開だったというか、ホントに小さな劇場でしか上映されなかったということです。前作「ランボー3」が日本では大当たりでしたが、その次の作品であるこの「ロックアップ」を機に、日本でも大スランプがスタート。そういう意味でもオレにとっては非常に思い出深い作品です(笑)。 |
■DATA |
全米公開:1989年 8月 4日 日本公開:1989年12月 2日 全米初登場:6位(2週連続TOP10入り。) オープニング興収:$6,025,520(8/4〜6) 上映館数:1,382スクリーン 全米年間ランキング:49位(1989年) 総製作費:$40,000,000 全米興収:$22,099,847 日本配収:4億8000万円 [ラズベリー賞] 最低作品賞:ノミネート 最低主演男優賞(シルベスター・スタローン):ノミネート 最低助演男優賞(ドナルド・サザーランド):ノミネート |
■宣伝コピー |
[アメリカ] 1.「He is only six months away from freedom. But a warden obsessed with revenge wants to take his future away.」 [日本] 1.「新春唯一、SFX映画群をぶっ飛ばすスーパーバンドック映画上陸!」 2.「生涯一度の愛とチャンスを賭けて 闘え、フランク・レオン!」 [サントラ] 「SFX映画群をぶっ飛ばすスーパーバンドック映画“ロックアップ”主題歌 強烈発売中!!」 |
■サウンドトラック |
発売元:Scotti Brothers Records 価格:\937(\910) 発売日:1989年11月21日 [収録曲] 1.EVER SINCE THE WORLD BEGAN/JIMI JAMISON(ザ・ワールド・ビガン/ジミー・ジェイミソン) 2.CRY ALONE/JIMI JAMISON(クライ・アローン/ジミー・ジェイミソン) |