「デイライト」(Daylight)
(1996年/115分/ユニヴァーサル映画・UIP配給)
パンフレット
■STAFF
製作総指揮:ラファエラ・デ・ラウレンティス
製作:
ジョン・デイビス、ジョゼフ・M ・シンガー、デビッド・T ・フレンドリー
監督:
ロブ・コーエン
脚本:
レスリー・ボーエン
撮影:
デビッド・エグビー
プロダクション・デザイナー:
ベンジャミン・フェルナンデス
フィジカル&メカニカル特殊効果:
キット・ウェスト
セット・デコレーター:
ジョルジオ・デシデリ
編集:
ピーター・アマンドソン
衣装:
トーマス・キャスターライン
音楽:
ランディ・エデルマン
スタント・コーディネーター:
ポール・ウェストン
特殊効果:
スコット・ファーラー、ジョー・レッテリ
■CAST
キット・ラトゥーラ:シルベスター・スタローン
マデリーン・トンプソン:
エイミー・ブレネマン
ジョージ・タイレル:
スタン・ショー
ロイ・ノード:
ヴィゴ・モーテンセン
エレノア・トリリング:
クレア・ブルーム
ロジャー・トリリング:
コリン・フォックス
スティーヴン・クライトン:
ジェイ・O ・サンダース
サラ・クライトン:
カレン・ヤング
アシュリー・クライトン:
ダニエル・アンドレア・ハリス
グレース:
ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ
ビンセント:
セージ・スタローン
ラトーニャ:
トリナ・マクギー=デイビス
マイキー:
レナリー・サンティアゴ
カディーム:
マルセロ・セッドフォード
フランク・クラフト:
ダン・ヘダヤ
ノーマン・バセット:
バリー・ニューマン
ブーム:
ジョー・アンダーソン
デニス・ウィルソン:
マーク・ロルストン
■STORY
アメリカ最大の都市、ニューヨーク・マンハッタン島。そこへの交通手段は橋かトンネルかのいずれかで、この巨大な都市は現在まで変わる事なく、歴史を積み重ねてきた。今までは・・・・・・

その最も恐れていたことは、いつもと変わらない夕刻のラッシュアワーに起きた。一台の暴走車が起こした事故がトンネル内の車に次々と飛び火し大爆発が発生、マンハッタンとニュージャージーをつなぐ大型トンネルの出口はふさがれ、通勤途中の数百名の人々が中に閉じ込められてしまった。炎のハリケーンがトンネル中を包み込んだ後、息苦しい闇に覆われた世界は、トンネルの端から端までを焼き尽くした巨大な炎の犠牲者であふれ、有毒ガスと煙がトンネル中に充満していた。

すぐさまE.M.S.(緊急医療班)が出動するが状況は悪化する一方で、もはや救助の範囲を通り越していたが、現場に偶然居合わせた勇敢な一人の男、元E.M.S.のチーフだったキット・ラトゥーラは、生存者を救出するため、その事故現場へ危険を顧みずに飛び込んでいく。しかしそこは、外界との連絡も不可能な完全な密閉状態と化した、この世の地獄だった・・・・。

刻一刻と減少する酸素、そして全てを握る時間。
彼らは日の光(デイライト)を求めて、今、立ち上がった・・・・。
■解説

★現在、この作品の解説文は「改訂版」を作成中なのですが、まだまだ時間が掛かりそうなので、以前の解説文をそのまま掲載しています。(自分としては、以下の解説文は納得のいかない、非常に幼稚な解説文だと思ってます。文章そのものも短かくてつまんねぇし。
つーかオレはアホだから、短くて幼稚な文章しか書けねぇんだよ!文句あっか??)

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いきなりですがこの映画、はっきり言ってかなり面白い!スタローン映画の十八番的作品で、アクションと人間ドラマが見事にミックスされた、ほぼ欠点のない作品!っとオレは思う(笑)。そしてこの映画の主人公はスタローン以外には考えられません!こういった「アクションの中に人間ドラマや悲しさを兼ね備えた作品」ってのは、他のアクションスター、いやアクションスターに限らず他のどんなスターでもダメだ!!(文句あっか?)

ま、最大の見せ場がオープニングのトンネル大爆破シーンってのが最大の欠点かもしれませんが、これは「クリフハンガー」と同じだね(苦笑)。あまりにも最初のシーンが凄すぎて、その後のアクションシーンが物足りなくなってしまうってやつ。確かに冒頭の「炎のハリケーン」はスゴイよね。ってか怖い。だってオレ、劇場の大画面であのシーン見たときマジでビビったもん(笑)あれだけの大事故で生存者がいるわきゃない・・・とか言ってる奴は映画を見る資格なし!そんな“おバカさん”はドキュメンタリー番組でも見てなさい。

ストーリーや設定はモロ 「ポセイドン・アドベンチャー」のパクリ・・・ってのも禁句です(笑)。まぁ正直、あまりにも色んな場面が似ているので、リメイク映画かと思ってしまったりもする。実際、監督のロブ・コーエンは、「この映画は“ポセイドン・アドベンチャー”を参考にした。」っと認めてますし。しかし、それを差し引いても充分に楽しめる映画だと思います。

オープニングで全ての登場人物を一気に紹介。で、それぞれが色んな事情を抱えたままトンネルへ突入。この見せ方が上手いよね。「みんなトンネルに入らなければならなかった!って見せ方がうまいのよ!(byおすぎ)」結構ほら、あの冒頭シーンだけで1人1人の性格なんかもある程度把握できたでしょ?イイ奴、嫌な奴、生き残りそうな奴、コイツ途中で死ぬなって感じの奴(爆)。ちなみに、この中の囚人の1人、ビンセントを演じたのは、スタローンの実の息子セージです(ロッキー5以来の二度目の親子共演)。でもさ、映画を見る前はスタローンも一緒にトンネルに閉じ込められると思いませんでした??タクシーで客と一緒にそのままトンネル突入かと思って見てたら、直前でドカーン!!だもんね。ホント、あれは意外だった。だけどオレ、すっげー楽しみにしてた映画だから、公開初日までこの映画の映像を一切見ないようにして、余計な情報が入ってこないように数ヶ月間がんばった(笑)。そしたらスタローンは事故のあと単独でトンネルに突入するじゃねぇか!!これには良い意味で裏切られたね。

しかもその突入方法がスゴイ。トンネルの下にある4つの巨大ファンから潜り込む。ところが4つすべてを1度に止めてしまうとトンネル内の酸素が無くなってしまう。こりゃ困った・・・。だったら方法は1つ。ファンを1機ずつ止めるしかない。1つのファンを止められる時間、わずか30秒。
そして・・・「男は今、極限との戦いに挑む。」

「ここの見せ方がうまいのよ!(byおすぎ、再び)」

この潜入シーンの前にさ、本部で「どうやって救出する?」みたいな話になったとき、元同僚のフランクに「君が中へ・・・」って言われたキットが思わず「やっぱオレ?」って感じの表情で大きく息を吸うとこ、すげー好き(笑)。この場面のスタローンの演技、なんかこう覚悟を決めた男の表情って感じですごく上手いと思うんだよね。しっかしフランクもヒドイ男だぜ(笑)。チーフ代理のお前が行けっての。しかしここは我らのスタローン。自らが地獄へ行くことを決める。で、「どこから入る?」って聞かれて、「ここから。」っと指先でくるんと回した巨大ファンの模型。かっちょいいー!!!あとはあんたに任せたぜ!ってもうここだけでアドレナリン大放出!(爆)

さて、決死の潜入作戦は見事成功。キットは無事、トンネル内へ。で、生存者たちみんなに歓迎されるかと思いきや、「あんた一人だけ?ウソだろ?」っとまぁ、どいつもこいつも言いたい放題。おいおい、せっかく助けに来てくれたのにそんな言い方ねぇだろ・・・。生存者の中にはキットの言うことなど全く聞かないおバカさんもいたりして、救出作戦は難航する。そんな中、英雄気取りのバカ野郎が勝手に出口を探しに行った。このバカ野郎を演じるのは今や指輪物語のヒーローとなってスタローンよりも仕事が多いヴィゴ・モーテンセン(笑)。なんですが、この映画ではすぐに死にやがる。コイツすげー嫌な奴。キットの言うこと全く聞かないし、勝手に動き回るし、だから勝手に死んだ(爆)。ざまぁ見ろ!これで救出する手間が省けたぜ!ラッキー♪(byキット・ラトゥーラ)

言うこと聞かないバカもいれば、我先にと脱出しようとするアホもいる。まぁそれが人間の本性だわな。オレだって実際あんな状況に置かれたら、他人なんかどうでもいいもん。自分1人が助かりゃそれでいいもん(爆)。だけどそれじゃダメなんだってことを教えてくれるのがこの映画。最初はみんな自分が助かることしか考えてなかった生存者たちが、極限状況下で互いにぶつかり合いながらも次第にひとつになっていく・・・。

「みんなでやれば何とかなるのさ!」

このきっかけを作ったのは黒人の警備員ジョージ。彼が車の下敷きになり、死にそうなところをキットはたった一人で必死で助けようとする。

「息を吸うんだジョージ!吸って!吐いて!吸って!吐いて!」

しかし無情にも水かさは増していく。もうダメだ・・・っとその時、キットの目の前にみんなの姿が!
そう、この瞬間、生存者たちの心はひとつになったのである!!!

ところが・・・
必死の想いで救出したジョージは首の骨を折り、とても動ける状態ではなかった。この先を進むには水の中を潜って行かなければならない。重傷のジョージを連れて行くのは不可能・・・。さぁ困った。これがいつものスタローン映画なら、難なく負傷者を助け出しただろう。間違いなくジョージも一緒に連れて行き無事脱出したであろう。しかしこの映画の場合、それは通用しなかった。キット・ラトゥーラはランボーでもコブラでもない。元E.M.Sのチーフとはいえ、今はタクシー乗ってる“ただの人”・・・。そんなキットには、やはり人間としての限界がある。限りなくゼロに近い可能性に賭けてジョージを連れて行くか、それともこのまま見捨てるか・・・究極の選択を迫られるキット。しかし・・・

「こんな暗い所で死ぬんじゃない。早く行け!陽の光(デイライト)の下へ行け!」

ジョージのこの言葉を聞き、彼を置いて先に進むことを決断するキット。

「すまない。許してくれ・・・」

悲しいね・・・。でもこれが現実。これが人間の限界。せっかくみんなで助けても、それでも報われないことだって時にはあるさ・・・。悲しいけど・・・。

こういったドラマ部分をしっかり描く。それがいわゆる“出来のいいアクション映画”と呼ばれるものなんだろうけど、この作品はそれを見事にクリアしてる。強いスタローンがひたすら活躍するだけの映画では決してない。むしろ主人公キットの弱い部分を描いた本物のドラマがそこにある(なんちって)。だからこそ、近年では珍しくスタローンファンでない人にも評判が良かったんだと思う。「スタローン映画の中でベスト」って言う人、結構多いような気がします。

ただ、個人的に気に入らない場面が1つある。それはラスト。キットとマデリーンの二人の脱出シーンです。なんつーのかなぁ、もうちょっと他の見せ方なかったのかぁ・・・って思いません?「あれで助かるわきゃ〜ない!」なんてそんなつまんねぇ事は言いたくないのですが(笑)、せっかくドラマ部分がしっかりした現実にもあり得る話で進んできたのに、ラストで一気にマンガになっちゃった・・・。「映画にリアルを求めるやつはバカ」ってのはよく分かってるんですが、オレ、パニック映画だけには現実味を求めてしまうんですよね・・・。(実話を元にした映画なんかも当然リアルを求める。)

これとは逆に、他の連中が先に脱出する場面は良かった。これは素直に感動できたね。ラストもああいう感じの現実的な脱出方法で描く事は出来なかったのか?と今でも思ったりする。しかしまぁこれを言ってしまえばキリがないし、ラストの脱出シーンどころか、キットが巨大ファンから潜入するなんてこと自体、非現実的なワケだし、それ以前にあんな大事故で生存者がいるわきゃない・・・ってな話にまで発展しちまうよね(笑)。だからあのラストはあれで良かったのかな・・・とは素直に言えないのがオレの本音だったりして(爆)。でもオレの中ではスタローン映画TOP10に入る傑作ですけどね。ホント、いい映画だと思います。

ところでこの映画は、イタリアのチネチッタ・スタジオに実際に全長536mもの巨大なトンネルのセットを造り、1200に及ぶ照明、2000匹以上のネズミ、そして100万ガロンの水を持ち込み、総製作費8000万ドルをかけて製作された超大作。いわゆる、日本じゃ絶対にマネできない映画ってやつです。これだけの超大作ならばメガヒット確実!と思いきや、アメリカで大コケ。その2週間後に公開された日本では、そこそこ当たったものの、大当たりとまでは言えない結果に終わった。(でもその年の正月映画の中ではbQ!)

公開前、配給のUIPは、「目標配収40億円」という無謀な目標を立ててましたが、これは恐らく、その3年前、正月映画でダントツのヒットを飛ばした「クリフハンガー」と同じ成績を目指そう!という宣伝部の願いがあったからなんでしょうね。ただこの「デイライト」は、同時期に“ID4”が一人勝ち状態だったため、観客がみんなそっちに流れてしまったのが最大の敗因。当時オレは思ったね、「12月の公開は避けて、正月第2弾に公開しろ!」ってね。つまり、“ID4”との直接対決は避けて、年が明けた1月ごろに公開すれば、きっと「“ID4”を1位から引きずり落とした映画!」ってな具合に、“ID4”から“デイライト”へと主役交代になるのは間違いなかったから。そうすりゃ配収は最低でも20億は超えてた。場合によっては25億も可能だった。(負け惜しみ)

では最後に音楽について。
この「デイライト」は映画の内容だけじゃなく音楽も最高!感動的なメロディアスな曲が多くて泣かせるんだなぁこれが。オープニングの緊迫した音楽もイイ!もう最初から飛ばしまくり!でもやっぱりその中でオレが1番好きな曲は、みんなでジョージを救出するシーンの音楽。あれ最高!!あの音楽聴いただけで泣けてくるぜ!!(どちらの曲もテレビでよく使われてますね。)この映画、音楽に限って言えばあの「ロッキー」に次ぐ完成度の高さだとオレは思います。ま、エンディング曲はパニック映画の定番メロディというか、正直、明らかに感動路線を狙った曲ですが、あれはあれで普通に良い曲ですよね。

またいつかスタローンには、こういった泣かせるパニック映画をやってほしいなぁ・・・。
でも今度はもっと現実的なラストシーンを希望。(笑)
■DATA
全米公開:1996年12月 6日
日本公開:1996年12月21日

全米初登場:
2位(3週連続TOP10入り。)
全米オープニング興収:$10,015,875(12/6〜8)
上映館数:2,175スクリーン
全米年間ランキング:
48位(1996年)

総製作費:
$80,000,000
全米興収:
$32,885,565
海外興収:
$119,600,000
日本配収:
12億8000万円
世界興収:
$152,500,000

スタローンの出演料:$17,500,000

[アカデミー賞]
音響効果賞:ノミネート

[ラズベリー賞]
最低主演男優賞(シルベスター・スタローン):ノミネート
最低主題歌賞(Whenever There is Love):ノミネート
■宣伝コピー
[アメリカ]
1.「HOLD YOUR BREATH」
2.「NO LIGHT NO AIR NO TIME NO ESCAPE」
3.「NO HOPE」
4.「On December 6th, Universal Pictures dares you to take on the tunnel」

[日本]
1.「偶然が彼に仕掛けた、ニューヨークの恐るべき大事故!」
2.「偶然がニューヨークに仕掛けた恐るべき大事故!」
3.「男は今、極限との戦いに挑む」

[サントラ]
「本物の勇気だけが、人の命を救える。」
■サウンドトラック
サントラジャケット
 発売元:MCAビクター
 価格:\2,500(\2,427)
 発売日:1996年12月18日

[収録曲]

 1.DAYLIGHT
(デイライト)
 2.LATURA'S THEME
(ラトゥーラのテーマ)
 3.SEARCHING FOR A MIRACLE
(奇跡を求めて)
 4.SURVIVAL
(サヴァイヴァル)
 5.KIT'S PLAN
(キットの計画)
 6.A COMMUNITY IS FORMED
(団結)
 7.LEAVING GEORGE
(さよなら、ジョージ)
 8.RATS
(ねずみの大群)
 9.THE TUNNEL CLAIMS ITS OWN
(立ちはだかるトンネル)
10.POWER!
(パワー!)
11.A SHORT SWIM UNDER WATER
(アンダー・ウォーター)
12.THE SANDHOG'S CHAPEL
(礼拝堂)
13.LIGHT AT THE END
(ついに光が)
14.MADELYNE'S FATE
(マデリーンの運命)
15.WHENEVER THERE IS LOVE /BRUCE ROBERTS AND DONNA SUMMER
   
(愛があれば/ブルース・ロバーツ&ドナ・サマー )
16.DON'T GO OUT WITH YOUR FRIENDS TONITE/HO-HUM



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